【自己紹介】熊谷直哉

慶應義塾大学薬学部の熊谷直哉です。20年弱ほど，不斉触媒反応開発に携わってきました。その中で，分子の特性を決定づける原子配列・相対位置の機微，分子構造そのものに興味が移り，未踏の化学空間に漂う新分子構造の構築を進めています。これまで，膨大な化学空間内の航海は手探り的なものでしたが，我々が生きているタイムスパンで有意な新分子を効率的に発掘していくためには，分子探索における信頼性の高い明確な羅針盤が強力な武器となることは明白であり，今はそれが手に入りつつある時代です。本学術変革領域研究(B)では，理論化学・情報化学・自律合成グループと密に連携することで，実験化学的な分子進化がどれほど高速化するかに挑戦します。